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代表メッセージ 2003年1月〜12月
12月
2003年も最後の1ヶ月となりました。
12月13日には、毎年恒例のNGO合同研究&活動報告会を行います。 前回に引き続き、「内モンゴル沙漠化防止植林の会」(代表 セルゲレンさん)と 「地球緑化クラブ」(代表 原鋭次郎さん)の2団体とご一緒することになりました。 密度の濃い有意義な場となることを今から確信しています。 なぜなら参加するどの団体も、ただ情報を交換するだけではなく、 長い時間をかけて信頼関係を深めてゆくことを大切にしているからです。
NGO・NPOの現場での事業は、期限を切り、目標が達成されたならば引き上げるとい うタイプが主流です。 とりわけ何らかのインフラを整備するような事業の場合はなおさらです。 期限を切ることは、馴れ合いや癒着、非効率を避け、「自立」を促すために必要なこと とみなされています。 どこの時点で「自立」したと判断するかは大変難しい問題ですが、 いずれにしても、この考え方の底には、自立していない状態から自立した状態へと向 上すべきであり、自立が終着点であるという認識があります。 これはある意味正しいと思いますし、必要な考え方です。
ただ、GNCは、それとはまた別な考え方に軸足を置いています。 GNCの活動は、期限を切って何かを与える、すなわち援助する活動ではなく、 お互いの信頼関係を長い時間をかけて醸成しながら、 共に試行錯誤を繰り返し歩んで行くプロセスそのものなのです。
例えば、私どものパートナーであるモンゴルのツォゴさんに関して言えば、 彼を支援しているという意識を当初から一度たりとも持ったことがありませんし、 実際に資金的、物的にたいした支援をしてきたわけでもありません。 ツォゴさんと語り合う中で、お互いの考え方に変化が現れ、 信じる方向にともに具体的な歩みを進めている、一緒に何かを作り上げているという その事実があるだけです。 ですから、期限を切って引き上げるというような発想はもとよりありませんし、 ツォゴさんとのパートナーシップは今後もずっと続くものと考えています。
私は、これこそが「ネットワーク」だと信じていますが、いかがでしょうか。 これについては、みなさま、もちろんさまざまな考え方があると思います。是非ご意見をお聴かせください。
11月
10月3日、国立民族学博物館で開催された『モンゴル環境フォーラム―植林神話の再検討―』に参加し、私も、『モンゴル国ウランバートルでの実践』と題して報告しました。多くの専門家、活動団体の様々な意見を聴くことが出来、植林の意義を問い直すうえで、大変有意義なフォーラムでした。
植林を、環境保全、自然保護という視点からだけ考えることはもはや出来ません。大切なのはそこに住む人々の生活であり、植林をすることで彼らの生活の『質』がどのように変わるのか(向上するのか)ということを考え抜かない限り次の一歩は踏み出せません。このことはGNCの今までの活動の中で得られたとても大切な教訓です。例えば、モンゴルでは不法に森林伐採をする者が後を絶たず問題になっていますが、彼らは貧困に苦しみ生きるためにやむなく森林を伐採し換金しているのが現実です。彼らの生活の改善を総合的に考えること無しに、環境保全のためにただ伐採を禁止してもその場限りの対症療法にしかなりません。
生活の『質』の向上について考え抜くことは、当然『豊かさ』とは何かを考え抜くことにつながります。無限の地球を前提とした右肩上がりの経済成長のもとで追求する『豊かさ』は、今や現実的では無くなりつつあります。そのような中で人々は、既に今までの『豊かさ』とは違う、『新しい豊かさ』に気づき始めています。海外で活動するのであろうと、日本国内で活動するのであろうと、『新しい豊かさ』に本当の意味でつながることは何かを常に考え続け意見を交し合い、その中で具体的なプロジェクト(例えば植林)の意義を位置付けてゆく必要があります。
モンゴル国での実践に際して、このようなことをいつも考えています。
10月
9月13日から20日の日程でモンゴルに行ってきました。 いろいろなプロジェクトがさらに具体的に進展しました。 詳しくは概要報告をアップ致しましたので是非そちらをご覧ください。
今回も出発前の予想をはるかに上回る新たなそして有意義な出会いであふれていました。 毎度のことですのでそのこと自体にはもう驚かなくなりましたが、一つとてもうれしいことがありました。 GNCモンゴル責任者のツォゴさんと、東京でいつも行動をともにしているナスカさん (在日モンゴル留学生会代表)のことです。
モンゴル滞在中、多くの場所を訪ね多くの方々と話をしました。 そのつど、私がGNCの理念や活動について最初に説明するのが常です。 ツォゴさんとナスカさんが、いつものように見事に通訳してくれるのですが 今回は、通訳にとどまらず、私が言い足りないことを補い、さらには熱っぽく自らの こととしてGNCを皆に語ってくれたのです。 私が何も言わなくても、モンゴルの人々同士でどんどん話が進んでゆくのです。 この日が来ることをずっと願っていましたし、これでもうあとは安心だとさえ思いました。 GNCの役割は共存への着火点になることです。 火が灯れば役割のほとんどが達成されたと言えます。
ずっと一緒だった大学生の森泉さんと若宮君は、若若しいパワーと笑いを常に提供してくれてました。 自然なやさしさから体を動かすことのできる彼らを見、日本の未来も明るいと思いました。 そのこともまたうれしかったことの一つです。
まだ未定ですが、ツォゴさんが近々来日するかもしれません。 日本で皆が再会出来ることを思うと今から本当に楽しみです。
8,9月
9月13日から20日の日程でモンゴルに行ってきます。毎年恒例の5月ツアーは、SARSの影響でつぶれたので、昨年9月以来1年ぶりの渡航となります。
今、モンゴルは急激なグローバル経済の波の中で、今後の方向を模索しています。
経済的豊かさか自然の豊かさか。市場経済か遊牧社会か。エコノミーかコミュニティか。
後者のみを追い求めようとしても現実のモンゴルの人々の「生活」から離れてしまいます。
ただ、悲しむべきことに、今は前者のみを追い求める動きが加速しつつあります。
その動きは短期的には成果をあげたかに見えても、結局はモンゴルの良き未来につながらない、両者の適切なバランスが何よりも大切だと私たちは考えます。
そして、小さくても、モンゴルの人々が主役となって、そのことを実際に実践してみせることがこの動きをくいとめるために有効な方法だと考えます。
なぜならば、そこでの成功がモデルとなり、周囲に自然に波及してゆくことが期待できるからです。
(何より、実際にやってみること、これがGNCの持ち味です!)
そこで、GNCの目下の目標は、モデル農場の成功=持続可能な農牧業システムの実現です。
これには、教育・啓蒙、森林再生、草原復元、水資源調査、土壌調査などのプロジェクトも含まれます。
そして、モデル農場⇒モデル地区⇒モデル国というように次第に範囲が拡大してゆけば、有限な地球を前提とした新しい社会・経済システムをモンゴルから世界に発信できるかもしれません。
その可能性がモンゴルにはあると信じています。
そんな大それたことも思い描きつつ、でも目の前にある必要な作業をいつも通り淡々とすすめてゆきたいと思っています。
昨年に引き続き秋は、スタッフ、準スタッフ中心の調査出張のはずでしたが、今まで各所で出会った素晴らしい方々と、思いがけず現地で合流し行動をともにすることになりました。
こういう一つ一つの出会いがはからずも一つの力に結集されてゆくのを実際に体験すると、未来への希望が沸いてきます。仲間たちとの再会が楽しみです。
7月
9月(13日‐20日)のモンゴルでの活動予定が概ね決まりました。
今回は、ゲルに泊まりこんでのモデル農場での作業(苗木・防風林)、各関係機関の訪問・打ち合わせ・ヒアリング、大学でのセミナー開催など例年の活動に加えて、セレンゲ県の森林伐採地での植林、トーラ川上流域での環境調査などをモンゴルの大学の学生や先生方とともに行う予定です。
持続可能なシステムを地域から創りあげてゆこうという現地の人々の熱意は本物です。単なる理想論・抽象論を語るだけでなく、現実的に今自分には何ができるのかを皆が常に考え続け行動に移していることがその何よりの証拠です。(こうした姿勢さえあれば必ず良い結果につながると信じています。)
出発まで残り2ヶ月。GNCがいつもお世話になっている現地の方々と再会できることが何より楽しみです。
6月
先日、GNCモンゴル責任者のツォゴさんから、最新の活動記録を収めたCDが届きました。現地のスタッフ、学生、地元の人々が助け合い、立派にプロジェクトを進めている様子が映し出されていました。
はじめてモンゴルに行って以来、モンゴルとの付き合いもだいぶ長くなってきました。その間、常に「モンゴルの人々にむしろ私たちが助けられている」と感じてきましたが、SARSの影響で5月ツアーを実施できなかった今回ほど、そのことを強く感じたことはありません。 支援するつもりが実は助けられている。そのような対等なパートナーシップが、いつのまにか築かれていたことを本当にうれしく思います。そして、このような関係を今後も大切にしてゆきたいと思います。
5月
本来ならば、この時期はモンゴルにいるはずでした。 SARSの影響でツアーが中止になったことは大変残念です。ただ、現地にネットワークがあり、信頼すべきパートナーがいれば、あとは、電話、メール、ファックスなどの通信手段のおかげで、驚くほどスムーズに事業を進めてゆくことができます。
先日、GNCモンゴル責任者のツォゴさんと電話でじっくり打ち合わせをしました。苗木畑の整備、井戸の整備は、モンゴル人スタッフの手で着々と進んでいます。いくつか予定していたプロジェクトはSARSの影響で延期になりましたが、他にもやるべきことは山積していますので長期的には何の問題もありません。
今後半年間に優先的に取りかかるべき事業は、
@モンゴル語版環境啓蒙ポスターの作成と配布(モンゴルの大学生たちが中心となって)
Aモデル農場および周辺地域の環境アセスメント(内外の専門家によるデータ分析)
Bトーラ川源流の水資源調査および必要ならば伐採地への植林
です。@は既にスタートし、ABも来月にはスタートします。
今は、もう一段レベルアップしたモンゴルプロジェクトの土台作りの期間です。モンゴル人スタッフ、日本人スタッフともに、それぞれの国でできることを精一杯やってゆくことが何より大切です。
4月
今回は大変残念なお知らせをしなければなりません。
5月に予定しておりました『GNC緑援隊 第7回モンゴル植林体験ツアー』を中止せざるを得ないことになりました。
皆様ご存知のとおり、現在、世界はきわめて不安定かつ不幸な状況にございます。イラク戦争、北朝鮮問題。そして新型肺炎(SARS)などです。新型肺炎は、香港、中国、そしてアジア全体でも流行しつつあり、いまだ有効な対策が見つかっておりません。
このような中で、ツアーを決行し隣国のモンゴルへ多くの若者、初対面の方々を引き連れてゆくことは、安全上の問題、そしてはからずも感染源となってしまったときの道義上の問題からあまりに危険が大きいと思われます。
このことを「今後のGNC活動の健全な持続」という視点から冷静に見つめたとき、今は無理をすべきではないと判断致しました。
ただ、日本から参加できなくても、モンゴルの仲間が、立派にGNC活動をやりおおせてくれると確信しております。もちろん、そのためにも、メール、電話などでこれから日モ間で密に連絡を取り合う必要があります。
3月29日に丹沢の山中でエコハイクを開催しました。現在大学2年生の森泉恵子さんが責任者としてがんばってくれました。詳細はHPをご覧いただければと思いますが、彼女の初仕事、結論から言えば大成功、とても楽しく有意義な1日となりました。
皆でたきぎを集めて火をおこし、鉄板で作ったお昼ご飯、最高においしかったです。参加者同士すっかり仲良くなり、帰りは皆上機嫌で話も弾みました。
山小屋の主の田中久之さんには何から何まですっかりお世話になりました。エコハイクの場を提供していただき、また貴重なお話をたくさん伺うことができました。この場をお借りしてお礼申し上げます(これからも何回でも訪れたいところです)。
それにしても今回あらためて山や川や森がいかに私たちにとって大切かを再認識しました。この自然をいい形で守ってゆきたいと単純に思いました。もちろん、この単純な思いをきちんとした形にするには、今後やらなければならないことは多いと思います。勉強しなければいけませんし、実際に観て回ることも必要です。
そのためにも、これを機に今後エコハイク、テーマサロンを定期的に開催してゆきたいと思います。
みなさまも是非いろいろなアイディアをお寄せください。
3月
去る2月22日、4NPO・NGOが参加した第3回合同研究&活動報告会を無事終えることが出来ました。詳細は、HPに既に掲載しておりますのでそちらをご覧いただければと思います。形式、内容ともに今後につながるとても有意義な会となりました。このように、じっくりと信頼関係にもとづいたネットワークを築いてゆく努力は今後も続けてゆきたいですし、それは必ず良い形で大きな広がりにつながると信じています。
ただ、GNCとしましては、NPO・NGO間の連携それ自体が目的になっているような安易な連携はしたくないと思ってきましたし、今後もそのつもりはありません。22日の会の直後に、名実ともにもっともメジャーな植林団体の会計上の不正が発覚し、各種メディアで大きく報道されました。プロジェクトXや小学校の教科書などでも取り上げられ多くの人々に感動を与えていただけに人々の受けるショックも大きくその後の失望感もはかり知れません。とても残念なことです。ひとつ言えることは、やはり無理な拡大主義、メディア受けに走るとどうしてもひずみが出てきてしまうということです。今後もGNCは今まで通り等身大、自然体で活動を続けてゆきたいと思います。
3月2日には29日の第7回エコハイク&テーマサロンの下見に行ってきました(森泉恵子、矢野明子、宮木いっぺい)。山小屋のオーナーの田中ひさゆきさんが出迎えてくれました(田中さんは仲間とともに10年以上かけてこの丸太小屋を手作りしました!)前日と翌日が雨のなか当日は素晴らしい晴天に恵まれました。鉄板でヤキソバを作りビールを飲み、日本の里山の悲惨な現状についてお話を伺いました。その後は思いがけずハードな山登りをすることになりました(本番当日は気軽なハイキングにしますのでご安心ください。)。日ごろの運動不足がたたりへとへとになりましたが、全身の感覚が覚醒するようなとても良い気分になりました。皆様も29日、ご都合よろしければ是非ご参加ください。(詳細はHPをご覧ください。)
2月
今年も、5月のモンゴルツアーの準備を本格的にはじめる時期がやってまいりました。GNCモンゴル責任者のツォゴさんとメールや電話を使っての打ち合わせも頻繁になります。
一方、近いところでは、2月22日に、毎年恒例のNGO合同研究会がございます。同じ目的を共有する複数のNGO・NPOが、ネットワークを組むことの重要性は、今後ますます大きくなってくると思います。
また3月には、しばらく休止しておりましたエコハイク&テーマサロンが復活いたします。山小屋に集まっての自然観察会を予定しております。
担当責任者は、昨年9月のモンゴルツアーに参加した、現在大学1年生の森泉恵子さんがかって出てくれました。学生を中心とした国内でのこうした活動は今後大きな流れになることが期待できます。多くの方々の参加を楽しみにいたしております。
1月
皆様、あけましておめでとうございます。
昨年は、GNCオフィスが、長年親しんだ中野から練馬に移転しました。(新宿から地下鉄で6分の場所から、池袋から地下鉄で6分の場所へ!)
その際、GNC所有の備品は必要最小限にし、コストも削減、いろいろな意味でスリム化しました。(スタッフミーティングは、青山の環境パートナーシップオフィスで行なうようになりました。)
一方、昨年の一年間の活動を通して、GNCが歩んで行く方向に関して、とてもシンプルな一本の線が見えてきたような気がします。すっきりシンプルに共存へ向けて歩んでゆこうという感じでしょうか。そういう「すっきりシンプルに」という気分の盛り上がりと、オフィス移転によるスリム化が、不思議にも同時期に重なったといえます。今年はその見えてきた線を太く確信に満ちたものにし、さらには面へとひろげてゆきたいと思います。
どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。
