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代表メッセージ

代表メッセージ 2008年

11月 new

 前回の代表メッセージで、現在GNCが直面している重大な問題として、GNCがモンゴル国立大学エコロジー教育センターと協力して開園したエコ植物園が、営利目的(店やバーなど)の開発のために、乗っ取られそうになっていることについてお伝えしました。
 結論から先に言えば、おかげさまで危機を脱することができました。出発前には、GNCのモンゴル人スタッフからも、「現在のモンゴルは法律はあってないようなもの、ここまで来たら乗っ取られるのは避けられない。何か少しでも金銭的に取り戻すための条件交渉を考える必要がある。」という悲観的な観測もなされていました。誰にきいても、一般的な見通しはその線でした。9月初頭のエコツアーに出発する前は、滞在中にしかるべき関係各所に抗議のために出向かなければならないと覚悟を決め、準備もしていました。しかし、それはありがたいことに必要ありませんでした。

エコツアー中のことです。
渦中のモンゴル国立大学エコロジー教育センターを訪問しました。建物に入るや、センター長のツォグバダラフ教授が力強く握った拳を頭上にかかげながら笑顔で駆け寄ってきました。「我々は勝った!」そう言いながら抱きついてきました。固い握手を交わし、喜び合いました。この問題が表面化してから、センター長のツォグバダラフ教授とスタッフ一同、そして、このエコ植物園の開園に情熱を傾け続けてきた前センター長のバザルドルジ教授は、乗っ取りを画策している権力者と文字通り闘ってきました。メディアを通じて世論に訴えかけてきました(GNCも抗議の手紙を送りました)。大変な苦労があったと思います。危険な目にもあったかもしれません。その闘いの末、ついに開発を画策していた権力者が自ら撤退したのです。

毎年、エコツアー中に実施することが恒例となっているエコ教室でのうれしい出来事。
 
例年通り、18学校、23学校、108学校から日本語コースに所属している10代前半の子供たちが50人程、先生とともに、GNCのモデル農場に集まりました。昨年に続いて、エコツアーに同行している在日モンゴル留学生会のメンバーたち8人も参加しました。レクチャーやワークショップ、アニメ「木を植えた男」の上映、外に出ての記念植樹などを行いました。その際、冒頭に私は、今回エコ植物園に関して起きた悲しい出来事を包み隠さず皆の前で話しました。話し始めた時、全体がざわめき、本当に悲しそうな顔で一杯になりました。「同じモンゴル人として恥ずかしい」という声があがりました。しかし、皆が協力して闘った末に危機を脱したというところまで話し終えると、会場中が歓声と拍手に包まれました。今こうやってエコ教室の場で拍手を送ってくれている子供たち、そして、日本に留学している大学生たちが、将来のモンゴルを支えるのだと思うと、先日までの悲しい気持ちが消え、力強い希望があふれてきました。本当にうれしい瞬間でした。何について悲しみ、何について喜ぶか。理屈ぬきに全体が一体となった瞬間でした。その時の子供たち、そして留学生たちの喜びの表情、笑顔は、今でも忘れられません。

モンゴル国立大学エコロジー教育センターでの先生、職員の皆さんの笑顔、エコ教室での子供たち、留学生たちの笑顔。これがある限り、今モンゴルが直面している多くの問題は、時間はかかっても必ず乗り越えられるはずだと確信しています。

7月  

今回は、現在GNCが直面している重大な問題についてお伝えします。現在のモンゴルの拝金主義に傾いている状況を如実に示している悲しい出来事です。この問題解決のために是非皆様のお知恵とお力を結集できたらと思っています。

GNCは、モンゴルでの活動の一つとして、都市緑化、公園づくりを、モンゴルの人々と協力して積極的に行っています。その最も大きな成果は、モンゴル国立大学エコロジー教育センターと協力して開園したエコ植物園です。2002年から打ち合わせを開始し、2005年9月に開園しました。開園式には当時の駐モンゴル日本大使も駆けつけてくださり、モンゴルの地元メディアにも大きく取り上げられました。今では、地元住民の憩いの場として愛されています。エコ植物園は、エコロジー教育センターのキャンパス内の0.9ヘクタールの敷地に300種以上の植物・木を植え、モンゴル全体の植物を一覧できる植物博物館ともなっています。モンゴル国内ではこのような存在は他に無いとのことです。 

エコ植物園にはとても重要な役割がいくつもあります。
@     モンゴル全体の植物を一覧できる植物博物館
A     住民の憩いの場(公園)
B     子どもたち、若者の自然教育、環境教育の場
C     自然研究、環境研究の場
D     国境を越えた協力事業の象徴(モンゴルと日本の友好の場)
E     環境の大切さを発信する拠点

ところが、現在、営利目的(店やバーなど)の開発のために、エコ植物園を廃園にし(さらにはエコロジー教育センターを廃止し)、その土地を買い取り市の管轄下に置こうという動きが顕著になっているということです。実際、既にエコ植物園は立ち入り禁止になってしまいました。目先の金儲けのために、上記のような多くの意義、役割を持っているエコ植物園を廃園にしてしまう、さらにはエコロジー教育センターを廃止してしまうというのは、モンゴル国および住民にとって、大きな損失だと考えます。

この不当な行為をなんとか阻止しようと現在モンゴル国立大学も必死に戦っています。前所長のバザルドルジ先生を中心に、エコロジー教育センターを、エコ植物園を必死に守ろうとしています。バザルドルジ先生とは、GNCは出会ってから変わらぬかたい友情によって結ばれています。夢を語り合い、その実現のために一緒になって活動してきました。その結晶であるエコ植物園、そしてエコロジー教育センターを何としても守らなければなりません。

現在GNCは、エコ植物園に関して3つの具体的なプランを持ち、まさに実行しようとしているところです。一つは、このエコ植物園をウランバートル市内全校の自然教育、環境教育の課外授業の場としていきたいということ、一つは、GNCが毎年実施しているエコ教室(18学校、23学校、108学校の日本語クラスの生徒たちが毎年参加しています)を、今以上に拡大してエコ植物園で行いたいということ、また、その場を、在日モンゴル人留学生と、モンゴル国で日本語を学んでいる生徒たちとが交流できる場としていきたいということです。

エコ植物園の廃園、エコロジー教育センターの廃止は、これらの魅力的なプランの可能性を0にしてしまいます。そのようなことがけっして無いことを強く願っています。エコ植物園は、緑化を願う日本の国民の大切な募金(緑の募金)をお預かりして、モンゴル国立大学エコロジー教育センターとGNCが、足かけ3年近くをかけて完成したものです。もし、エコ植物園の廃園ということが現実のものとなるならば、モンゴル、日本の両国、および両国民にとって大変な損失、悲しみであることは疑いようがありません。現在、多くの友人のいる、愛するモンゴルにおいて、このような暴挙が起きないことを強く願っています。そのために、今後GNCは出来る限りのことするつもりです。皆様にもお力添えいただければ幸いです

 
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